「昨日は吹きやすかったのに、今日は音が出しにくい」
「新しいリードへ替えたら、吹き心地が大きく変わった」
サックスを吹いていると、このような変化を感じることがあります。
吹き方が原因だと思ってしまいがちですが、リードの状態が変わっていることも少なくありません。
サックスリードのお手入れで大切なのは、次の3つです。
- 新品のリードは短時間ずつ吹いて慣らす
- 演奏後はマウスピースから外して水分を取る
- 平らな状態を保てるリードケースで保管する
この記事では、天然素材のリードを中心に、新品の準備、演奏後のお手入れ、保管方法、長持ちさせるコツを初心者向けに紹介します。
天然のリードは水分によって状態が変わります
一般的なサックスリードは、ケーンと呼ばれる植物から作られています。
天然素材なので、同じメーカー、同じ種類、同じ硬さでも吹き心地は少しずつ違います。箱に入っているリードが、すべて同じように鳴るとは限りません。
さらに、演奏中は水分を吸って膨らみ、演奏後には乾燥して縮んだり、力がかかった方向に曲がります。この変化が、反りや波打ち、吹き心地の変化につながります。
お手入れによって個体差をなくすことはできませんが、急激な変化を抑え、良い状態で使いやすくすることはできます。
新品のサックスリードを準備する方法
新品のリードを開封した日に、いきなり長時間の練習や本番で使うのはおすすめしません。
人も起きてすぐに全力で走ると、体へ負担がかかりますよね。リードにも、演奏へ慣らすための短い準備期間を作ってあげましょう。
1.欠けや割れを確認する
袋から出したら、先端に欠けや割れがないか、極端に波打っていないかを確認します。
リードの先端はとても薄いため、指や衣服へ引っかけないように注意してください。持つときは、厚くなっている根元の部分を持ちます。
2.全体を軽く湿らせる
乾いたリードは、口に含むか、きれいな水で軽く湿らせてからマウスピースへ取り付けます。
長時間水へ浸す方法を選ぶ奏者もいますが、私は新品のリードへ軽く水をつけ、全体を湿らせてから吹いています。
先端と削られている部分が、しなやかになれば十分です。
3.数分ずつ吹いて慣らす
初日は数分程度、出しやすい音域で軽く音を出して状態を確認します。
最初から大きな音や高い音を長時間吹かず、問題がなければ翌日以降に少しずつ演奏時間を延ばします。
私は新しいリードを、いきなり本番や長時間の演奏には使いません。数枚を同時に準備し、吹き心地を比べながら慣らしています。
番号をつける場合は、リードの厚い根元へ鉛筆で小さく書いておくと、状態を管理しやすくなります。
演奏後のサックスリードのお手入れ方法
演奏後は、リードをマウスピースにつけたままケースへ戻さないようにしましょう。
お手入れは、次の3段階で十分です。
1.マウスピースから外す
リガチャーを緩め、リードの厚い根元を持って外します。
先端を持ったり、無理に横へ引いたりすると、欠けや割れの原因になります。
2.表面の水分を取る
リード表面の水分を、清潔な指や柔らかい布でやさしく取り除きます。
汚れが気になる場合は、きれいな水で軽く流しても構いません。先端を強くこすったり、曲げたりしないようにしてください。
熱いお湯、洗剤、アルコールは使用しません。
3.リードケースへ収納する
水分を取ったら、平らな状態を保てるリードケースへ収納します。
ケースへ入れるときは、先端をケースの縁へぶつけないよう注意しましょう。
サックス本体やマウスピースを含めた演奏後のお手入れは、「サックスのお手入れグッズ5選|毎日の手順と使い方」で詳しく紹介しています。https://nichinichi-kore-sax.com/お手入れグッズ/
サックスリードの正しい保管方法
リードをマウスピースにつけたまま乾かすと、先端が波打ったり、反ったりすることがあります。
演奏後は必ず外し、次の点に注意して保管しましょう。
平らに固定できるリードケースを使う
初心者のうちは、高価なケースを用意する必要はありません。
まずは、リードを平らに固定でき、先端を保護できるものを選びましょう。複数枚を分けて収納できるケースなら、リードの使い分けにも便利です。
リードケースなど、最初に必要な用品については、「【初心者向け】サックスに必要なもの17選|付属品・お手入れチェックリスト」も参考にしてください。https://nichinichi-kore-sax.com/サックスを吹くのに必要なグッズは?初心者向け/
人によって好む湿度が違う
リードケースは、直射日光が当たる場所や、高温になる車内へ放置しないでください。
湿度の高すぎる場所ではカビやにおいが発生しやすく、急激に乾燥すると反りや割れにつながります。
季節によってリードの調子が変わりやすい場合は、湿度を調整できるリードケースを検討してもよいでしょう。どれくらいの湿度がいいかはプレイヤーによっても違うので、こだわる方は、このあたりは試行錯誤しています。ちなみに私も昔はいろいろ試しましたが、今はそこまで厳密に管理していません(笑)
サックスリードを長持ちさせるコツ
リードを長持ちさせるには、1枚だけを毎日使い続けないことが大切です。
数枚を交代で使用すると、それぞれを休ませる時間ができ、状態の変化にも気づきやすくなります。本番直前に、使えるリードが1枚しかないという状況も避けられます。
また、次のような扱いは控えましょう。
- マウスピースにつけたまま保管する
- ぬれたまま密閉する
- 先端を指や布で強くこする
- 長時間水へ浸したままにする
- 波打ちや反りを力で押さえつける
- 知識がないままヤスリやナイフで削る
リードを削ったり、圧力をかけて形を整えたりする方法もありますが、削る場所や量によって吹き心地が大きく変わります。
初心者のうちは無理に修正せず、先生や楽器店など、リードの扱いに慣れている人へ相談しましょう。
サックスリードを交換する目安
リードの寿命は、個体差や演奏時間、息の強さによって変わります。「何日使ったら交換」と一律には決められません。
次のような変化が見られたら、交換を検討しましょう。
- 先端が欠けたり割れたりしている
- カビが疑われる斑点や異臭がある
- 以前より柔らかく、息が入りすぎる
- 音の立ち上がりが悪くなった
- 高い音や小さい音が出しにくい
- 湿らせても大きな反りが戻らない
- 吹き心地が安定しない
ただし、音が出にくい原因はリードだけとは限りません。
取り付け位置、マウスピース、リガチャー、楽器の調整、吹き方なども影響します。新しいリードへ替えても改善しない場合は、自分だけで悩まず、先生や楽器店へ相談してください。
まとめ|準備・お手入れ・保管でリードを良い状態に保ちましょう
サックスリードのお手入れで大切なのは、次の4つです。
- 新品は数分ずつ吹いて慣らす
- 演奏後はマウスピースから外す
- 水分を取り、平らな状態で保管する
- 数枚を交代で使用する
昨日と吹き心地が違っても、すぐに「自分の吹き方が悪い」と決めつける必要はありません。
まずは、リードの欠けや反り、取り付け位置を確認してみましょう。毎日の小さなお手入れを続けることで、状態の変化に気づきやすくなり、自分に合うリードも見つけやすくなります。
サックスのお悩み、LINEで気軽にご相談ください
楽器選びやお手入れ、レッスンについて、「こんなことを聞いても大丈夫かな?」というご質問でも構いません。京都・伏見のミモザサックス教室が、丁寧にお答えします。


