リードには準備運動とアフターケアが必要

”リード”は、ケーンという葦(あし)という植物の仲間からできています。
近年では、ケーンに代わる樹脂製などの製品も多く発売されています。

この”リード”は、基本的に水分を吸収・発散して毎日変化を続けます。
特に植物から出来たリードは、水を含むと膨んでしなやかになり、乾燥すると縮んで固くなります。

ということは、

演奏する→口に含むことで水を得て膨らむ。空気振動とアンブシュアの負荷で変形しやすくなる
演奏後→水分が蒸発して乾燥し、演奏時の負荷(アンブシュアなどの圧力がかかった側へ曲がる)を覚えたまま固くなる

これを毎回繰り返すことになります。

特に新品のリードには、この変化が大きな負担になります。
そもそも原料であるケーンは、リードとして楽器の一部として使えるようになるまでには、植物として成長する期間以外に、2年もの乾燥期間を必要とします。
丁寧に乾燥期間を経たリードを箱から出して、いきなり口の中に入れて、全力で吹く…
リードが私なら、起き抜けに準備運動もなしにダッシュしたら…私なら2日は使い物にならないかもしれません😓

そう、リードにも、ある程度の準備運動とアフターケアが必要なのです。

まず、真新しいリードを吹く時は、

①少しだけ水道水をつけて表面に水分を浸透させる(軽く指で水を伸ばす程度)
②2分~3分吹いて調子を見る(軽くウォームアップする感じです。全力では吹きません)
③吹き終わったら、丁寧に水分をふき取って、リードケースに戻す

これを少なくとも3日続けます。慣れてきたら、徐々に演奏時間を延ばして、フルパワーで吹きます。その過程で相性の良いリードを見つけて、全力で演奏したいタイミングまでにリードを準備していきます。

新しいリードでなかったとしても、リードに大きな負荷(水分量の変化と外からの圧力)を一気にかけると、調子が急激に変わってしまいます。
同じリードを酷使する練習を続けると、「あれ?これ昨日は調子よかったのに…」という日がどんどん増えます。

リードの変化を抑えるために、リードに含まれる水分をコントロールするためのリードケースというのも売っています。湿気が多い時期や、エアコンで乾燥してしまう時期に不調が起こりやすい人は、こういうものもおすすめです。

また、気をつけていてもリードが変形してしまうことはあるので、その場合はリードに圧をかけたり、ヤスリをかけたりして調節していくのですが、これについては別ページで紹介しています。

リードはリード楽器にとって、核になるものですので、しっかり特性を知って大事に育ててあげてくださいね🎵

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